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クロユリ団地 [映画]

クロユリ団地
http://kuroyuri-danchi.jp/

を観てきた。
いつものことながら、ネタバレとかまったく気にしない(キリッ

ストーリー:
老朽化したクロユリ団地へと移り住んできた明日香(前田敦子)は、隣室から聞こえる何かを引っかくような音にへきえきしていた。ある日、鳴りやまない目覚まし時計の音を発端に、隣室で亡くなっている老人を見つけてしまう。それを機に周囲で頻発する怪現象に対する恐怖、老人を救えなかったという罪悪感から、精神的疲労を募らせていく明日香。老人が何かを伝えようとして音を立てていたのではないかと思った彼女は、遺品整理で隣室を訪れる特殊清掃員・笹原(成宮寛貴)とその真意を探ろうとするが。
http://www.cinematoday.jp/movie/T0016130

ってなわけで。

まぁ、いやはや・・・・
このストーリを読んだら物語の8割くらいなことにちょっと驚愕'`,、( ´∀`) '`,、

さて。

ストーリーテリング的には、非常にオーソドックスなパターン。
王道、と言っても良い。

導入部分で、明日香と家族のやりとりが繰り返しになってるシーンは、
「矛盾螺旋」か!とか思ったけど'`,、( ´∀`) '`,、
(※「空の境界」第五章を観れ)

割と伏線がちゃんと回収されているのでその辺は安堵した。

「死」を個の意識としてすり込み、それを脳内で再生できるなら、
それは他者から見れば「妄想」だが、本人にそれを区別することは不可能。
本人にとっては「現実」となんら変わりはない。

明日香が、バス事故で自分だけが生き残り、自分以外の家族が死んでしまったことで、
家族の死から「目をそらさない」という選択肢は立派ではある。
が、「目をそらさない」という方向性が、受け入れ消化する、という意味合いではなく、
生前の活動をそのまま脳に焼き付ける、という間違った方向に行ってしまった。

それでも、社会との折り合いが付いていたので問題なかったが、
「クロユリ団地」に引っ越してきたばかりに、脳内と現実の矛盾が折り合いに亀裂を生じさせる。

死者を脳内に再生させ続けているわけだから、
「クロユリ団地」の死者=ミノルくんを認識することもたやすいわけだ。
なんせ死者と生者の区別を付けられないようになってるわけだからな。
だからこそ、ミノルくんを「生者」と勘違いするのも頷ける。
一見、ただのあどけない子供ですしね。
仲良くなってもさして問題ないように思うわな。

ミノルくんの能力的強度の発現でもあるんだろうけど。
・・・いやはや、末恐ろしいガキですよ・・・。あ、「末」ねぇですけど^q^

そこにきて、現実に隣のじーさんが孤独死を迎え、
それを発見する=現実の「死」を突きつけられる、という事態に遭遇してしまう。

しかも壁ひっかいて何かを知らせようとしていた姿で。

・・・まぁ、あれ見たらトラウマになるわな、そりゃヽ(´д`)ノ

死ぬ前に気づいてあげられなかったという後悔が、
脳内に再生していた家族の肖像に決定的ダメージを与え、ついに眼前から家族が消えてしまう。
自己矛盾を抱え続けることができなくなり、現実に強制的に回帰してしまったわけだ。
脳が自分騙すのやめちまったわけだ。
そりゃ「家族が消えた」ってパニックになるわなー。
最初から居なかったんだけど。

突きつけられた現実を、それでも今度は受け入れざるを得ないほどに、
大人になってしまっていた明日香だが・・・。

今度は、その死んでたじーさんが迷惑かけてくるよ!
どんだけ・・・。

と思いきや、そのじーさんが実は味方でした!的ななにか。
明日香がミノルくんを部屋に招いてしまったとき、
じーさんが壁ぶち破ってミノルくんを連れ去ろうとしたんだろうなぁ。
勘違いした明日香のせいで(?)失敗したけど。
あげくに、霊能者さんに成仏させられちゃったしヽ(´д`)ノ
そのときに、元凶がミノルくんだったと知ることになる。

一方、なにかと世話を焼いてくれた特殊清掃員・笹原。
霊能者さんを紹介してくれた彼だが・・・。

最終局面、部屋を結界で閉ざし、霊能者さんが調伏しようとすることになるわけだ。
・・・いやさぁ、霊能者さん、同じ部屋で調伏祈願しないとダメだろ・・・。

精神的に不安定な人に、霊から呼びかけられても部屋から出ないで、
って言ってそれが守られるなんて思う方がどうかしてる。
それが守られなければ、自分たちがやべぇー超やべぇーって知ってるだろうに。

当然、ミノルくんがあの手この手で明日香にドアを開けさせようとするわけだ。
それを一緒に明日香と部屋で待機していた笹原がなんとか食い止めるのだが・・・。

ミノルくん、たぶらかす相手を笹原に変えた!
あっけなく、ドア開けちゃったよ!

おいwwwwwww

おまえが開けてどうすんだよwwwww

ってフイタ。

その後は、もうミノルくんの独壇場。
霊能者さんはミノルくんの「呪詛返し」により絶命。

ですよねー。
戦略のミスは戦術では取り戻せないという典型でした。

一方、ミノルくんの能力で、
笹原は、ミノルくんの味わったであろう自分の死んだときの再現世界に引きづり込まれて
焼却炉の中で焼け死ぬというペナルティで絶命。
(ミノルくんは、生前、焼却炉の中で焼け死んでいる)
死体、出てこないんだろうなぁ、という。

明日香は、ミノルくんの友達になる約束をしてしまったために
命までは取られずに済んだが、SAN値がマイナスに突入。
バス事故以前の精神状態に閉じこもり、正気の世界を放棄してしまった。
狂気エンド。


つまり、誰も救われなかった。


・・・まぁ、ある意味、ミノルくんの一人勝ち(厳密には最初から負けてるけど)。

ミノルくん、強ぇ。超強ぇ。
思わず、「呪怨」のあの「白い男の子」と対戦させてみたら、面白いんぢゃね?!とか思っちまった。


・・・・
・・・・・
・・・・・・

・・・まぁ、こんなことを思えるほどに、
あんまり怖いって感じがしなかったって話だが( ´⊿`)y-~~


それでも、なにかと言われている前田敦子女史の演技が、
割と良かったし、正気←→狂気の表情の変化とかも上手かったしね。

ホラー映画だ、と言い切って良い作品なのは確か。
オーソドックスだから物足りなさは否めないけれども、それは個人の主観によるところが大きいかな。

悪くない映画でした。
怖さはちょっと物足りなかったけどね。



クロユリ団地
http://kuroyuri-danchi.jp/

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Lの屋

ホラーならなんでもよかった?
by Lの屋 (2013-05-18 20:27) 

チェシャ猫(>_<)。

>Lの屋さぬ

なんでもいいが、
ホラーって銘打って、実はスプラッタとかSFとかモンスターとかあるぢゃん。
今回のはホラーというカテゴリで間違いなかった、って感じ。


by チェシャ猫(>_<)。 (2013-05-18 21:09) 

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